和歌山フォトライブラリー

熊野三山とは

[熊野三山](/articles/kumano-sanzan-1night-2days-stay-based-plans)(くまのさんざん)とは、和歌山県の紀伊半島南部に鎮座する「[熊野本宮大社](/articles/kumano-hongu-taisha-lunch-local-food-guide)」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」の三社の総称です。三社と、那智山青岸渡寺・補陀洛山寺を含む一帯は、2004年に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されました。

三社を結ぶ参詣道が、いわゆる[熊野古道](/articles/kumano-kodo-july-clothing-sweat-management)です。つまり熊野古道は「道」、熊野三山はその道が目指す「聖地」という関係にあります。

三社の違いを一覧で整理

熊野本宮大社熊野速玉大社熊野那智大社
場所田辺市本宮町(山あい)新宮市(河口の町なか)那智勝浦町(山の中腹)
主祭神家都美御子大神熊野速玉大神熊野夫須美大神
雰囲気深い森に包まれた祈りの中心地朱塗りの社殿と御神木ナギ那智の滝とともにある聖地
セットで訪れたい場所大斎原の大鳥居神倉神社・ゴトビキ岩那智の滝・青岸渡寺・大門坂

熊野本宮大社:熊野信仰の中心

熊野古道・中辺路の終着点にあたる、熊野信仰の中心地です。かつて社殿があった旧社地大斎原(おおゆのはら)には日本一の高さを誇る大鳥居が立ちます。詳しくは熊野本宮大社の見どころガイドへ。

熊野速玉大社:新宮の町に鎮座する朱の社

熊野川の河口近く、新宮の町なかにあり、三社のなかでは最も参拝しやすい立地です。御神体の巨岩「ゴトビキ岩」を祀る摂社・神倉神社とあわせての参拝が定番です。熊野速玉大社の見どころガイドもどうぞ。

熊野那智大社:那智の滝とともにある聖地

落差約133mの[那智の滝](/articles/nachi-falls-access-by-car-driving-notes)への自然信仰を起源とする社です。朱塗りの社殿、隣接する青岸渡寺の三重塔と滝の風景は、熊野を代表する絶景として知られます。那智の滝へのアクセスガイドにまとめています。

熊野三山のご利益:「甦りの地」と呼ばれる理由

熊野は古くから「甦り(よみがえり)の地」と呼ばれてきました。神仏習合の時代、三社はそれぞれ阿弥陀如来(本宮)・薬師如来(速玉)・千手観音(那智)を本地仏とし、三山を巡ることで過去・現在・未来にわたる安寧を祈る場とされてきたのです。

浄土へ参り、再びこの世へ戻ってくる——熊野詣は「死と再生」を疑似体験する旅でもありました。現代でも、人生の節目に熊野を訪れ、心を整え直す人が多いのは、この「甦り」の信仰が息づいているからです。

歴史:上皇も庶民も歩いた「蟻の熊野詣」

平安時代には上皇・法皇による熊野御幸が繰り返され、院政期には100回を超える御幸が記録されています。道中には「王子」と呼ばれる遥拝所が点々と設けられ、人々は祈りながら山道を歩きました。

やがて熊野詣は貴族から武士、庶民へと広がり、行列が蟻のように連なったことから「蟻の熊野詣」と呼ばれるほどのにぎわいを見せます。熊野が身分や性別を問わず誰でも受け入れる聖地だったことは、現代に続く熊野の懐の深さを物語っています。

八咫烏と熊野三山

三本足のカラス八咫烏(やたがらす)は、熊野の神の使いとされ、神武天皇を熊野から大和へ導いたと伝わります。三社の各所で八咫烏の意匠に出会えるので、参拝の際はぜひ探してみてください。詳しくは八咫烏とは?三本足の意味で解説しています。

回る順番とモデルコース

回る順番に厳密な決まりはなく、王道は熊野詣の歴史に沿った「本宮 → 速玉 → 那智」です。車・公共交通別の回り方は熊野三山の回る順番ガイド、宿泊を含めた行程は熊野三山1泊2日モデルコースで詳しく紹介しています。

よくある質問

Q. 熊野三山とはどこの神社のことですか?

和歌山県の熊野本宮大社(田辺市本宮町)・熊野速玉大社(新宮市)・熊野那智大社(那智勝浦町)の三社の総称です。三社はそれぞれ離れた場所にあり、車で巡る場合も社と社の間に移動時間がかかります。

Q. 熊野三山は一日で回れますか?

車やタクシーを使えば一日で三社を参拝することは可能ですが、各社の滞在は短めになります。ゆっくり巡るなら1泊2日がおすすめです。

Q. 熊野三山と熊野古道は何が違いますか?

熊野三山は三つの神社(聖地)、熊野古道はそこへ至る参詣道のことです。熊野古道を歩かなくても、車やバスで三社に参拝できます。

Q. 御朱印はいただけますか?

三社それぞれで御朱印をいただけます。受付時間は社ごとに異なるため、事前に各社の公式案内を確認してください。

まとめ:まずは一社からでも、熊野の空気に触れてみる

熊野三山は「三社すべてを回らなければいけない場所」ではありません。一社だけの参拝でも、熊野の深い森と祈りの歴史は十分に感じられます。この記事を入口に、自分の旅程に合った熊野の巡り方を見つけてください。


画像: 熊野那智大社と那智山青岸渡寺((公社)和歌山県観光連盟 より引用)