
本宮エリアのモデルコースを考えるとき、「大社・大斎原・温泉」をどの順で回るかで迷う人は多いはずです。おすすめは、大斎原(旧社地)から本宮大社(現社地)へ、そして温泉郷へという流れです。熊野本宮の歴史をなぞる順番なので、同じ景色でも「なぜここにあるのか」が見えてきます。
まず押さえたい、本宮の「引っ越し」の物語
現在の熊野本宮大社は、もとは熊野川と音無川の合流する中洲、大斎原にありました。明治22年(1889年)の大水害で社殿の多くが流され、のちに現在の高台へ移された、と伝えられています。
つまり本宮の観光は、「川のそばにあった昔の姿」と「山側に上がった今の姿」を一日で見比べる旅でもあります。この前提を知っておくと、コースの意味がぐっと立体的になります。
1. 大斎原で、何もない広がりに立つ
最初の立ち寄り先は大斎原です。入口に立つ大鳥居は日本最大級として知られ、周囲の田畑や森とのコントラストで、遠くからでもよく目立ちます。
境内に進むと、かつて社殿が並んでいた場所には石祠が静かに祀られています。建物がないぶん、広い空と木々、川の気配がよく感じられます。ここでは写真を撮るより、少し立ち止まって「ここに大きな社殿が並んでいたんだ」と想像してみてください。
2. 本宮大社へ、石段を上がって「今」の社殿に参る
大斎原で昔の姿に触れたら、本宮大社へ向かいます。川辺の平らな土地から、石段を上がった杜の中へと場所が変わること自体が、ひとつの移動体験です。
参拝を終えたら、社殿の並びや檜皮葺の屋根を見上げながら、先ほどの旧社地との距離感を思い返してみてください。社殿の様子や参拝の作法は別の記事でもまとめているので、細かな歩き方はそちらを参考にどうぞ。
3. 最後は本宮温泉郷で、歩いた体をほどく
締めくくりは温泉です。本宮の周辺には、湯の峰・川湯・渡瀬といった温泉地が点在し、「本宮温泉郷」と呼ばれています。それぞれ雰囲気が違うので、次のように選ぶと迷いにくくなります。
- [湯の峰温泉](/articles/yunomine-tsuboyu-waiting-time-buffer-plan):谷あいに湯けむりが立つ、歴史を感じる湯の町
- [川湯温泉](/articles/kawayu-sennin-buro-itsumade-last-minute-guide):大塔川沿いの開放的な河原が特徴
- 渡瀬温泉:静かに過ごしたいときの落ち着いた選択肢
本宮大社から温泉地へは車やバスで少し移動します。帰りの交通手段の時間は、必ず事前に確認しておきましょう。
時間の組み立ての目安
- 半日コース:大斎原(ゆっくり)→ 本宮大社 → 温泉地ひとつ
- 一日コース:午前に大斎原と本宮大社、昼食をはさみ、午後に温泉地を二か所めぐるか、一か所でのんびり過ごす
どちらの場合も、温泉は予定の最後に置くのがポイントです。参拝と散策で歩いた体を、湯でゆるめてから帰路につけます。
当日のちょっとした工夫
- 大斎原は広くて日陰が少ないため、季節に合わせて帽子や上着を用意しておくと安心です。
- 本宮大社の石段は足元に気をつけて、歩きやすい靴で行きましょう。
- 温泉用のタオルや着替えは、小さなバッグにまとめておくと移動が楽です。
- 各施設の開所時間や休業日は変わることがあるため、出かける前に公式の案内を確認してください。
大斎原で昔を思い、本宮大社で今に手を合わせ、温泉で一日を結ぶ。ただ名所を回るのではなく、場所の「ストーリー」をたどる本宮の一日を、ぜひ試してみてください。
画像: 川湯温泉(熊野本宮温泉郷)((公社)和歌山県観光連盟 より引用)
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