Kumano Kodo World heritage Yunomine Onsen Tsuboyu 湯の峰温泉 つぼ湯05

つぼ湯はなぜ世界遺産なの?

和歌山県田辺市本宮町の湯の峰温泉にある「つぼ湯」は、「入浴できる世界遺産」として知られています。温泉に入れる世界遺産なんて、なかなかありませんよね。では、つぼ湯はなぜ世界遺産といわれるのでしょうか。

結論から言うと、つぼ湯は2004年に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である熊野参詣道(熊野古道)と深く結びついた場所だからです。単なる人気の温泉ではなく、千年以上続く巡礼文化を今に伝える存在として大切にされています。

理由① 熊野詣の「湯垢離」の場だった

昔の人々は、熊野本宮大社へ向かう長い旅の途中で湯の峰温泉に立ち寄りました。参拝前に温泉で身体を清める「湯垢離(ゆごり)」という習わしがあったためです。

湯の峰温泉は、この湯垢離の場として古くから栄えてきました。つぼ湯はその中心的な存在で、「祈りの道」の一部として歴史を重ねてきたのです。

理由② 小栗判官の伝説が残る湯

湯の峰温泉といえば、小栗判官(おぐりはんがん)の伝説も有名です。病に倒れた小栗判官が、この湯に浸かって回復したと語り継がれています。

こうした物語は、熊野が「よみがえりの地」と呼ばれる理由とも重なります。つぼ湯の素朴な佇まいには、そんな伝承の空気が今も漂っています。

つぼ湯の魅力と楽しみ方

小さな岩風呂の特別感

つぼ湯は、川沿いに建つ小さな小屋の中に岩をくり抜いたような湯船がある、とてもコンパクトな温泉です。少人数でしか入れないぶん、特別感があります。

湯の色の変化

湯の色が時間帯によって変わるといわれているのも、ファンの間では語り草です。自然の恵みを肌で感じられるのが魅力でしょう。

湯の峰温泉街の散策も一緒に

湯の峰温泉街は、小さな川沿いに宿や共同浴場が集まる、のんびりした温泉地です。温泉街を歩くと、湯けむりや硫黄の香りとともに、昔ながらの湯治場の雰囲気を味わえます。つぼ湯だけでなく、街歩きもぜひ楽しんでください。

訪れる前に知っておきたいこと

つぼ湯は人気が高く、利用方法や受付、注意事項は時期によって変わる場合があります。訪れる前に、田辺市や観光協会などの公式情報を確認しておくと安心です。

まとめ

つぼ湯が世界遺産といわれるのは、熊野古道の巡礼と湯垢離の歴史、そして伝説を今に伝える場所だからです。熊野本宮大社や熊野古道の散策とあわせて訪れれば、旅の意味がぐっと深まります。熊野の湯に浸かり、昔の巡礼者と同じ時間を過ごしてみませんか。


画像: Kumano Kodo World heritage Yunomine Onsen Tsuboyu 湯の峰温泉 つぼ湯05 / 撮影: Nekosuki / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons より引用)