熊野古道中辺路 大門坂

6月の熊野古道は「蒸す」と「ひんやり」が同居する

6月の熊野古道を歩くとき、迷うのは「暑いのか、寒いのか」ではないでしょうか。答えは、その両方です。梅雨の時期は空気が湿っていて、登りでは汗が止まりません。一方、杉木立の中や石畳の日陰に入ると、止まった途端に汗が冷えて肌寒く感じることもあります。

だからこの季節の服装は、気温の数字よりも 「汗をかいても乾くか」 を軸に選ぶのがコツです。

基本の組み立ては「乾く服を薄く」

トップスは速乾性のある半袖+薄手の長袖

肌に直接触れる一枚は、化学繊維の速乾Tシャツなどが扱いやすいです。綿は汗を含むと乾きにくく、休憩のたびに冷えの原因になります。そこに薄手の長袖シャツやUVカットの羽織りを足せば、日差し・虫・枝葉からも腕を守れます。暑ければ脱ぎ、休憩で冷えたら着る、という出し入れがしやすい組み合わせです。

ボトムスは伸びて乾くものを

石畳の段差では、足を大きく上げる場面が出てきます。伸縮性があり、濡れても乾きやすい長ズボンが向いています。デニムは濡れると重く乾きにくいので、この季節は避けたほうが無難です。

足元は「濡れる前提」で考える

6月の石畳や土の道は、雨がなくても湿って滑りやすくなっていることがあります。靴底にしっかりした溝のあるものを選び、靴下は厚手すぎない速乾タイプが快適です。替えの靴下を1足持っておくと、昼休憩で履き替えられて気分もリセットできます。

小物で暑さと日差しをいなす

帽子、汗拭きタオル、首元を冷やせる薄手の布は心強い味方です。木漏れ日でも紫外線は届くので、日焼け止めも忘れずに。

雨具は「蒸れにくさ」も大事

梅雨の時期は、雨具をザックの取り出しやすい場所に入れておくと安心です。ただ、防水性の高いレインウェアは着ると蒸れやすいもの。脇の下の換気口があるタイプや、ポンチョ型を選ぶ人もいます。雨の日の考え方は、既に別の記事でも触れているので、あわせて参考にしてください。

虫・湿気への備えも服装のうち

この季節は、蚊やアブなどの虫が増えやすくなります。袖と足首をきちんと覆い、虫よけを併用すると過ごしやすくなります。場所や時期によっては、湿った環境を好む生き物が出ることもあるため、肌の露出を減らしておくのは理にかなっています。

歩いたあとの一枚を忘れずに

歩き終わると、汗で濡れた服のままバスや電車に乗ることになります。冷房の効いた車内では意外に冷えるため、乾いたシャツや薄手の羽織りを一枚、袋に入れて持っておくのがおすすめです。温泉に立ち寄る予定があるなら、タオルも兼ねて準備しておくと身軽に動けます。

まとめ

6月の熊野古道は、湿気が肌にまとわりつく分、木々の緑や苔の色がいっそう深く感じられる季節です。服装は「速乾・薄手・重ね着・替え」の4つを意識すれば、蒸し暑さにも日陰の涼しさにも対応できます。天気予報を見て、当日の朝に最終調整するくらいの余裕を持って、しっとりとした古道の空気を味わってください。


画像: 熊野古道中辺路 大門坂((公社)和歌山県観光連盟 より引用)