熊野古道中辺路 大門坂

1月の熊野古道は「歩いている間」より「止まったとき」に冷える

「熊野古道 1月 服装」で調べると、まず気になるのは気温でしょう。ただ、冬の古道歩きで本当に差が出るのは、歩いている間ではなく立ち止まった瞬間です。

坂を登っているときは体がぽかぽかして、薄着でも平気に感じます。ところが王子で足を止めたり、昼食を広げたりすると、汗が冷えて一気に寒くなります。山あいの杉木立は日が届きにくく、石畳や苔の道はひんやりとしています。

そこで1月の服装は、「歩く体温」用と「休憩の体温」用を分けて持つと考えるとうまくいきます。

歩く体温を整える3枚の重ね方

ベース:汗を逃がす肌着

肌に触れる一枚は、汗が乾きやすい化繊やウール系が頼りになります。綿は汗を含んで冷えやすいので、冬の山道では避けたい素材です。

ミドル:脱ぎ着しやすい薄手のフリース

歩き出しの肌寒さをしのぎ、暑くなったらすぐ脱げるのがミドルの役目です。前開きだと、歩きながらでもファスナーで体温を調整できます。

アウター:風を止める軽い一枚

尾根や開けた場所では風が体温を奪います。薄手のウインドシェルやレインウェアを一枚ザックに入れておくと、雨や風のときにも使えます。

休憩の体温を守る「+1枚」

歩いている間は着ず、止まった瞬間に羽織るためだけの一枚を用意しておくのが、1月の大切なコツです。軽くて小さくたためるダウンや中綿ジャケットが向いています。

ポイントは、汗をかく前に脱ぎ、止まる前に着ること。登りの手前でひとつ脱ぎ、休憩に入ったらすぐ羽織る。この習慣だけでも、体の冷えはかなり違ってきます。

末端と首まわりは小物でカバー

1月ならではの注意点

日没が早い

冬は日が短く、夕方の山道はすぐ暗くなります。服装というより行程の話ですが、早めに出発して明るいうちに下りる計画が、寒さ対策にもなります。

日なたと日陰で体感が変わる

同じ道でも、日の当たる区間と木陰では体感がまるで違います。出発地点が暖かくても、道中で冷え込むことがあります。標高のある山間部では、天候によって路面が冷たく湿ることもあるので、足元は滑りにくい靴を選びましょう。

歩いたあとの冷え

歩き終えて汗が引くと、急に寒く感じます。乾いた肌着とフリースを一組、バスや車に置いておくと、温泉へ向かう時間まで快適に過ごせます。

迷ったときのチェックリスト

1. 歩く間に着る3枚(肌着・フリース・風を防ぐ上着)
2. 休憩用の軽い防寒着を1枚
3. 首・手・耳を守る小物
4. 靴下の替えと、歩いたあとの着替え

1月の熊野古道は、人も少なめで空気が澄み、静かな道を味わえる季節です。「寒さに勝つ」より「止まっても慌てない」準備を整えて、冬の熊野をゆっくり歩いてみてください。


画像: 熊野古道中辺路 大門坂((公社)和歌山県観光連盟 より引用)