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熊野牛王符とは?熊野三山に伝わる護符

熊野牛王符(くまのごおうふ)とは、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の熊野三山に伝わる護符(お札)のことです。「牛王宝印(ごおうほういん)」とも呼ばれ、白い紙に墨で刷られた、力強い烏(からす)の図柄が大きな特徴です。熊野古道を歩く前後に、その名を耳にした方も多いかもしれません。

紙面いっぱいの烏に込められた意味

熊野の神々の使いとされるのが、三本足の八咫烏(やたがらす)です。牛王符には、たくさんの烏が文字の形を描くように配されており、熊野信仰を象徴する意匠といえます。

三山で見比べる楽しみ

牛王符は社ごとに図柄が異なるといわれています。本宮・新宮・那智と巡りながら、それぞれの違いに目を向けてみるのも、熊野ならではの味わい方です。

護符であり「誓いの紙」でもあった

牛王符は、厄除けや災難除けを願う護符として篤く信仰されてきました。それだけでなく、歴史のなかでは起請文(きしょうもん)、つまり約束や誓いを書き記す用紙としても使われています。

「誓いを破れば熊野の烏が命を落とし、その人にも災いが及ぶ」と信じられていたため、牛王符に書かれた誓いは特に重いものとされました。落語の演目「三枚起請」にも登場するので、聞き覚えのある方もいるでしょう。

「牛王」の名前の由来は?

名前の由来には諸説あります。牛の体から得られる貴重な薬「牛黄(ごおう)」にちなむという説などが知られていますが、はっきりとは断定できません。「ありがたい力をもつ宝印」という意味合いで受け継がれてきた、と捉えるとイメージしやすいでしょう。

熊野を訪れる前に知っておきたいこと

まとめ

熊野牛王符とは、八咫烏の図柄をまとった熊野三山の護符であり、かつては人々の誓いを支えた特別な紙でもありました。その背景を知ってから本宮・新宮・那智を巡ると、境内の景色や熊野古道の道のりも、いっそう味わい深く感じられるはずです。


画像: KUMANOGOOUHU / 撮影: Utudanuki / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons より引用)